10万円のエサでコロナ感染者急増?

14日の東京都の新規コロナ陽性者数は143人で2日連続で200人を下回るも、1週間平均の1日あたりの感染者数は173.7人で、感染が拡大した緊急事態宣言下の最大値(167人)を超えたとの報道がされています。

さて、この感染者数急増の理由について、面白い(?)情報が世間を賑わせています。

一つ例を挙げますと、
週刊新潮7月16日号の中吊り広告の見出し、

「第2波パニック」の作られ方
「ホスト感染者」増産の裏に「10万円」のエサ!

というもの。

これは、
新宿区が新型コロナに感染した区民への独自策として、
見舞金10万円の支給を決定したことを受けてのものと思われますが、

新宿区は6月補正予算で関連経費約1億円(1000人分)を確かに計上しています。

一方、最近の新宿区のコロナ感染者数を見てみると、

7月12日45人(東京都全体206人)
7月11日45人(東京都全体206人)
7月10日92人(東京都全体243人)
7月9日64人(東京都全体224人)

と、都の新規感染者数が200人を超えた4日間で879人中246人、約28%が新宿区
ではあります。

しかしながら残り7割以上は新宿区以外であり、10万円の「エサ」を
新規感染者数急増の支配的な要因と見るのは少々極論でしょう。

ただ、こうした話はさておき、緊急事態宣言解除前よりも感染者数を大きく
見せるカラクリは確かに存在します。

菅官房長官が10日午後の記者会見で、緊急事態宣言を出す状況ではないとした
理由の1つにPCR検査を積極的に行っていることを挙げたものの、実はそれが
主たる原因ではありません。

実は、東京都が公表する検査人数はもっと前の6月18日から増えており、その
原因はそれまで公表範囲に含めていなかった医療機関による保険適用での検査
実績を含めるようになったためです。

それゆえ、見た目上の感染者数が緊急事態宣言解除前よりも増えたところで、
菅官房長官の言う通り、

医療提供体制が逼迫していない現在の段階で
直ちに緊急事態宣言を発出する状況にはない、

というのは頷ける話ではあります。

逆にではなぜ東京都が6月18日から
公表する検査人数の基準を変えたのか、

そこに多くのマスコミが触れず
「緊急事態宣言時よりも悪化」を叫ぶかには
何らかの意図(今は明言しません)を感じますが、

いずれにせよ、今の状況を放置してよいかと
言えばそうではないでしょう。

首相官邸公式twitterより

重症者数・死亡者数は感染者数より遅れて増加するため、実効再生産数
(1人の感染者が新たに発生させる感染者数)が伸びてくればある時点から
急速に重症者数が増加し、再び緊急事態宣言時のような
「医療崩壊の危機」
が再来する可能性はもちろんあります。

私は個人的には、これまでの日本での経過データを見る限りは、判明した
新型コロナの感染力・毒性に合わせて感染症の指定レベルや医療資源の活用方針
を正しくマネジメントすれば医療崩壊が起こることなどあり得ないと思って
いますが、(ただ、今の政府はそれを行ってはいません)

もしこの経過期間をまだ「短い」と評価し、いまだ未知の部分が多いと判断を
するならば、中野先生が第2回動画で指摘するように、渋沢栄一・高橋是清・
岸信介・下村治ら日本の先人が行ってきたプラグマティズムに倣い、
ロックダウンも強めに行い、
経済対策(財政出動)も大胆に行う、
ということが国民の最大幸福を考えれば正当なアプローチであるように
思います。

実際、多くの国民の不満は、ロックダウンは強めであるにも関わらず経済対策が
少なすぎるし遅すぎるために起こるもので、生活が逼迫している国民の立場から
すれば、

コロナを恐れて過剰自粛を強いてもっと多くの自殺者数を生み出すようなやり方
は馬鹿げている、

という意見が生まれるわけです。

しかしながら、今の政治家や官僚は、この、経済対策(財政出動)も大胆に
行う、ということをどうも行う気がないようで、

「ロックダウンを弱めることで社会経済活動を再開させていく」

ことだけを唯一の解決策として見せたいようです。

その原因については、第一回動画の中で藤井先生が「舞台裏」を激白して
下さっていますし、第二回動画では中野先生が、官僚の立場でありながら、
現実を見ず教科書しか見ない官僚の有様を告発して下さっていますが、今の
状況がこのまま続けば、おそらく政府は再び緊急事態宣言を発令し、また政府
はロックダウンを強め、経済対策は少なすぎるし遅すぎるで、藤井先生の指摘
する「経済的な壊死」を再加速する流れに陥ってしまうのではないかと思い
ます。

そしてこの「経済的な壊死」が
もっと深刻な惨禍を引き起こすことを、
中野先生は指摘しています。
https://www.realinsight.co.jp/lp/tri/corona2020/douga_line/file_2_f3zw5/index.html

もしそんなことが起これば、
日本の未来はさらに危ういものになります。

まさに国家存亡の危機です。

そんな状況を防ぐために、ぜひしっかりと第2回映像もご覧いただき、
「どうあるべきか」を考えてみてください。

それでは、またご連絡します。
本企画がお役に立てることを切に願っています。

リアルインサイト 鳥内

コメント

  1. 今後新規感染者が増えていくのは致し方ないことですが、常識的にはロックダウンは避けるべきです。感染拡大の速度を抑えることと経済活動を両立させる方法があるはずです。しかしいずれにしても財政措置を躊躇していては虻蜂採らずになるでしょう。藤井さん、中野さんのお話は大変示唆に富むものです。3回目の佐藤さんのお話はこれから視聴します。https://news.yahoo.co.jp/articles/7b168c6a645a7b5cf814f48e167d9c15c3335884

  2. この度GO TOキャンペーンを実施するとの報道がありました。経済が大事なら財政出動するべきで、コロナ感染者が全国に蔓延する可能性がわかっていながら一部の業界を救済する馬鹿げた政策。国民の安全を優先するという当然のことがなぜできないのでしょう。国の施策はどれも信用できません。国民はもう自分で考えなければ日本の将来はないと思います。

  3. いろいろ、考えていくうえでの、大切な点を学ばせていただきました。ありがとうございます。

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