この先にある、もっと恐ろしい未来

おはようございます。
リアルインサイト 鳥内浩一です。

昨日の記事で、今の状況がこのまま続けば、おそらく政府は再び緊急事態宣言
を発令し、ロックダウンを強める一方、経済対策は少なすぎるし遅すぎるで、
藤井先生の指摘する「経済的な壊死」を再加速する流れに陥ってしまうだろう、
それがもっと深刻な惨禍を引き起こすことを中野先生は指摘している、
とお伝えしました。

その詳細については
ぜひ動画をご覧頂ければと思いますが、もっと深刻な惨禍、もっと恐ろしい
未来とは、経済にとどまるものではありません。

ご存知の通り、アメリカでは、ミネアポリスで白人警官により黒人男性が
窒息死させられたことを発端に人種問題が爆発しました。

当初は平和的なデモだったものが今では暴動や略奪、殺人事件まで起こり、
深刻な情勢不安に陥っています。

この事件を
「殺人事件をきっかけに人種問題が起こった」
シンプルに結論づけることはできません

この事件は、全てを市場原理に委ね「新陳代謝」を促し、弱者を切り捨て格差
を生み出す新自由主義経済によってすでに生まれていた社会構造上の歪みに、
コロナが追い打ちをかけて起こったものです。

もう少し具体的に言えば、

アメリカは、トップ1%の富裕層が全体の90%以上の富を握る極端な格差社会
ですが、アメリカが今回のコロナで世界一の感染死者数を生み出した原因が、
黒人をはじめ有色人種を多数含む低所得者層が働く飲食業などがコロナで大打撃
を受け、国民皆保険の制度もなく医療費を支払えないためまともな医療を受け
られなかったことに一因がある、と中野先生は動画の中で指摘しています。

さらに、コロナ感染拡大後の3ヶ月で米国の富裕層の資産は62兆円も増えた
一方、失業手当を申請した米国人は4300万人。

社会的弱者の中に長年溜まっていた鬱憤が、コロナショックと殺害事件によって
一気に爆発した、というわけです。

このデモや暴動を「仕掛ける」側の存在も指摘されていますが、今は触れま
せん。

より重要なことは、同じことが日本で起こる可能性もある
ということです。

5月時点で国内の完全失業者の数は198万人、前月から33万人増加しています。

また、それ以上に多いのは休業者で、4月下旬の時点では597万人いた休業者が
5月下旬には423万人に減ったものの、

この中には、第一回動画で藤井先生が指摘された非正規雇用者が多数存在する
ため、6月末に契約が切れる非正規雇用者を中心に、休業者から失業者に転じる
可能性があります。

長年デフレに苦しんできたこともあり、庶民の窮状は切迫しています。

「日本でそんな暴動が起こったことはないだろう」
と思われるかもしれませんが、実はそんなことはなく、1923年の関東大震災
の時、朝鮮人が井戸の水に毒を入れたという噂が流れ、自警団により在日朝鮮人
17人が亡くなっています。

京橋の第一相互ビルヂング屋上より見た日本橋および神田方面の惨状

さらには、動画の中で中野先生が明かす高橋是清の話がまさにそうで、昭和恐慌
で農村が大打撃を受け、中小企業がどんどん潰れ、大量の失業者が生まれ、
貧困にあえいでいる中、井上準之助はそれを無視して緊縮財政を続けた。

高橋是清がその方針を変更し正したが、疲弊しきった農村階級と中小企業・
自営業者の生活は苦しく、それを放置する日本政府に対する不信感が高まり、
過激な右翼運動に流れ、社会不安を増幅し、軍部の台頭を招き、二・二六事件
を引き起こし、高橋是清は殺された。

したがって、緊縮財政で日本は軍国主義化していった事実を私達は知らなけれ
ばなりません。

丹生誠忠中尉の説明を聞く二・二六事件の反乱軍兵士

そしてこうした中でさらに怖いのは、財政出動が不十分で国に見捨てられた、
社会に捨てられた、自分達は苦しい思いをしているにも関わらず、のほほんと
生きている連中がいる、という鬱憤が溜まっている中で、危険な思想を吹き込む
者が現れると、一挙に大衆が煽動されてしまう可能性があることだと、中野先生
は警鐘を鳴らします。

実際、ヒトラーが総統となった時のドイツは第一次世界大戦後、国民総所得の
数年分にあたる賠償義務が課せられ、さらに世界恐慌によって壊滅的な経済状況
に陥っていました。

そんな時に、民衆は「魅力的で希望的」なヒトラーを熱狂的に支持し、民主的に
国家権力を握ったのです。

先ほど、アメリカのデモや暴動を「仕掛ける」側の存在も指摘されている、
と申し上げましたが、こうした社会的混乱と煽動者の祭り上げまでセットで
仕掛けることも不可能ではありません。

そんな存在がいるにせよいないにせよ、こうした社会的混乱の中で日本が極めて
危険な道を歩むリスクがあることは、絶対に知らなければなりませんし、
「ヒトラーの登場」
などは、何としてでも防がなければなりません。

そのためにも是非、下記の中野先生の動画をご覧になり、知識を深め、見識を
高めて下さい。

それでは、またご連絡します。
本企画がお役に立てることを切に願っています。

リアルインサイト 鳥内

コメント

  1. 仕事がなく家賃滞納、老母の認知症も進み、お金がなく雑草を摘んでたべてます。家賃より携帯電話の支払いだけは死守。
    このまま 心中するしかないかな、でも母の首をしめる勇気がない。未来のない世の中に絶望してます。

  2. 大変参考になりました。
    わたしの理解が足りないかと思いますが、経済ナショナリズムの概念に国家主義、全体主義の匂いを感じるのはおかしいですか。軍部と一体化し戦時経済を主導し国を崩壊させた岸信介の評価は高橋是清らと同じで良いのでしようか?これも後付けは何とでも言える、と言う事でしょうか。中野先生にお教え戴ければ幸いです。

  3. 明治憲法の欠陥
     明治憲法に首相定義が抜け落ちていたことで、武官の暴走を招き昭和の大戦に繋がったと渡部昇一先生著書にあります。
    現行憲法の欠点
     英国に比べ国会に大臣罷免権がないとウィキペディアにあります。
    財務省設置法の欠点
     財政健全化、国債を日銀が引き受けることはいけないと規定した財務省設置法と現行憲法の全文公選権否定は、政府を信じるなというGHQの策略だと西田参議院議員が仰せです。
    もしそうなら、
    財政拡大政策は、議会に大臣罷免権を認めておけば、そんなに不安視することもないのではないでしょうか?

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